消毒剤の噴霧は危険?
従来、消毒剤は噴霧して使用するものではないという考えが常識となっていました。
それは、消毒剤自体の毒性と残留性に問題があったためです。消毒剤を噴霧すると細かなミスト状になって、室内を浮遊します。
そこに人が入り込むと、消毒剤を大量に吸引したり、皮膚に付着したり、目に浴びたりするため消毒剤の毒性・残留性が危険とされてきました。
ステリPROの安全性
万一、人がいても安全に噴霧するためには、吸収しても、皮膚に付着しても安全なものでなければ噴霧できません。
ステリPROは有機物と接触すると除菌効果を失活させてしまうため、吸収による毒性はありません。また、皮膚に付着しても安全です。
ステリPROの有効成分は次亜塩素酸です。次亜塩素酸には残留性がなく、従来より哺乳びんや保育器など、高い安全性が必要な器具の消毒に使用されていた次亜塩素酸ナトリウムと同様の安全性を有します。
さらに次亜塩素酸は人の体内で異物を除去するために活躍していることからも、その安全性の高さがご理解頂けるでしょう。
体内でも使用されている次亜塩素酸
白血球中で次亜塩素酸が生成されているというのは意外と知られていない事実です。活性酸素が体内に侵入した細菌などの異物を分解しているのに活躍しているといわれていますが、実際は次亜塩素酸に変化した形で働いているのです。
というのも好中球にはミエロパーオキシダーゼという酵素が大量に存在し、活性酸素の一種である過酸化水素を塩素イオンと反応させ次亜塩素酸を作り出すからです。好中球がこの次亜塩素酸を生成させるのはまさに「殺菌作用の為」なのです。
白血球中で次亜塩素酸が生成されているというのは意外と知られていない事実です。活性酸素が体内に侵入した細菌などの異物を分解しているのに活躍しているといわれていますが、実際は次亜塩素酸に変化した形で働いているのです。
というのも好中球にはミエロパーオキシダーゼという酵素が大量に存在し、活性酸素の一種である過酸化水素を塩素イオンと反応させ次亜塩素酸を作り出すからです。好中球がこの次亜塩素酸を生成させるのはまさに「殺菌作用の為」なのです。
活性酸素と疾患 分子論的背景と生物の防衛戦略 Oxidative Stress edited by Helmut Sies,1985 H.シース編 /井上正康監訳 A5版/530頁/本体価格9709円 ISBN 4-7622-0523-0[87.6刊]より引用
ステリPROの噴霧時の安全性
ステリPROを噴霧した場合の安全性は、以下の実験で確認されています。
噴霧時の安全性確認試験
ステリPROを噴霧するとミスト状になって室内を漂います。
ミストの中にはステリPROの主成分である次亜塩素酸(HOCl)が含まれており、これが空中浮遊菌と接触することで除菌効果を示します。
しかし、空中に浮遊したミストが菌などの有機物と接触しないと最終的にはミストは蒸発し、HOClは分解しCl2を発生させます(HOCl→H2O+O2+Cl2)。
しかし、Cl2は、非常に水に溶け込みやすいため噴霧による微細な水粒子に溶け込み、室内にステリPROを噴霧しても室内がCl2で充満して、人体が危険にさらされることはありません。
以下にステリPROを噴霧した時の室内のCl2ガス濃度について測定した結果を示します。
なお、ステリPRO噴霧は通常より過酷な条件(有効塩素濃度:500ppm、噴霧量:通常の1.5倍)で実験しました。
ステリPRO噴霧時の室内のCl2ガス濃度測定結果
実験条件
- 噴霧量:4リットル/時間(床が濡れてモップで拭き取りが必要な程度)
- 室内容積:20m3(約6畳に相当)(噴霧中は換気を行わない)
- Cl2ガス測定:ガス検知管にて測定(ガステック社製)
噴霧溶液pH (有効塩素濃度) |
塩素発生濃度(実測値) | |
---|---|---|
30分後 | 60分後 | |
pH5.89 (500ppm) |
0.10ppm | 0.12ppm |
pH5.82 (200ppm) |
0.02ppm | 0.07ppm |
pH5.95 (100ppm) |
0.01ppm以下※ | 0.01ppm |
pH5.82 (50ppm) |
0.01ppm以下※ | 0.01ppm以下※ |
※ 0.01ppm以下とは検出限界以下であったことを示します。
噴霧には有効塩素濃度が20〜100ppmに調整したステリPROを噴霧しますが、大量に室内に噴霧しても、0.01ppm(検出限界)以下です。
仮に、500ppmのステリPRO(実験のために特別に調整)を噴霧した場合でも、発生した塩素ガス濃度は0.12ppmであった。
【塩素ガスの許容濃度】
・日本産業衛生学会 勧告値 0.5ppm、1.5mg/m3
ACGIH(American Conference of Govermental Industrial)
TLV-TWA(時間荷重平均):0.5ppm、1.5mg/m3
TLV-STEL(短時間暴露限界):1.5ppm、4.5mg/m3
時間荷重平均とは1日8時間労働で、1週40時間の精機の平均労働時間中において1時間あたりの荷重平均濃度で塩素の場合0.5ppm以下であること。